プロフィール

Interview

関谷周一

村の家具屋 木響 代表

なぜ、この仕事を始めたのですか?

学生の頃に祖母から「せっかく苦労して木を植えたのに何にもならん」と聞いて、山林の抱える問題に興味を持ち、付加価値を付けることで木材自体の価値が上がらないだろうか?と考えたことがきっかけです。
地域で採れる木材に興味があったので、それを使っている木工所を探して就職し、加工の技術や地域の木材の入手ルートを学びました。
木製品なら何でも作ることができるほどの技術を持っているので、答えを見つけやすいと思ってましたが、そこには奥深い森が広がっていて、まだまだ道半ば、迷いに迷いながら日々精進してます。

今までどのような作品を作ってきましたか?

地域の里山で採れる木材にこだわり、無垢材のテーブル、椅子、箪笥や建具など、注文に応じて色々なものを作ってきました。
ある程度技術が備わってくると、伝統的工芸品の仙台箪笥の木地製作を依頼されるようになり、その歴史や形など、ゆっくりと造詣を深め、数年前には仙台箪笥の木材加工部門の伝統工芸士としての認定を受けました。
そのため木響では伝統技術に基づいたしっかりとした箪笥の製作や時代箪笥の修理をすることができます。
他にも家具の製作で切り余った貴重な木材を利用し様々な暮らしの道具を作り販売しています。それでも余った木材はストーブの薪にして寒い冬を凌いでいます。

作品づくりにどのようなこだわりを持っていますか?

注文製作に関しては、依頼主の話をよく聞き、それぞれの問題をより良く解決するように柔軟にデザインに落とし込んでいくようにしています。
オリジナルのデザインとしては、工房から見える山の稜線だったり、自然の中で見つけたものや、田舎の風景など身近にあるものから着想を得ることが多いです。
その理由としては、自分が老いて振り返る時に、どこかの流行りや誰かの真似とかではなく、不恰好でも嘘のない、純粋なものに囲まれていたいというのがあります。

仕事をする上で心がけていることは何ですか?

まず第一に怪我をしないことを心がけています。
行う作業が安全にできるのか、しっかりと想像しながら仕事をしています。
あとは、常にその時にできる一番良い答えを選択できるように余裕のあるスケジュールを組むようにしています。
なので、急ぎのお客様からはお断りされることが多いです。笑
しかし職人にとっては物こそが名刺。必ず物は残りますので、あとで恥ずかしくないように製作しています。

今後作りたいと思っているものは何ですか?

普段から様々な注文をこなしているせいか、ある程度満足しているので特にこれと言ってはないんですが、なんとかしなきゃなぁというものがいくつかあります。笑
まず少しずつ集めてきたレトロな模様ガラスがたまってきたので、それを使ったキャビネットや、小物などを作りたいと思っています。
あとは商品としてではありませんが、仕事で大量に出る鉋くずやおがくずなどを利用してキノコの栽培や木質ペレットの作成など、里山の木材を最後の最後まで使い切ることを目指したいと思っています。

佐々木淳一

村の家具屋 木響 工場長

なぜ、この仕事を始めたのですか?

実家が建具屋を営んでおり、幼い頃から木工は身近な存在でした。
しかし、身近すぎたためか若い頃はたいして興味を持つこともなく、木工とは関係のない製造業に就きました。
製造の仕事を続けているうち「自分はものを作ることが好きなのでは?」「ものを作るならなぜ幼い頃から触れてきた家業でそれをしないのか?」と思ったのがこの仕事を始めるきっかけです。以降、職業訓練校や県内の木工所での勤務を経て現在に至ります。
とにかく奥深い世界で、発見や勉強の日々です。

今までどのような作品を作ってきましたか?

家具や什器、小物など、木で作れるものであれば様々なものを作ってきました。
宮城県産材を中心にどこの山でとれたのか、どんな風景を通して作られたのかがイメージできる作品にも携わってきました。

作品づくりにどのようなこだわりを持っていますか?

制作物のデザインやその意図、木材がもつ美しさや力強さ、日常で使用するための使いやすさと強度など。これらを損なわず、さらに引き立てられるような仕事を心がけています。

仕事をする上で心がけていることは何ですか?

第一に怪我をしないよう気をつけています。
焦ったり急ぎすぎると仕事が粗くなり、仕上がりにも悪い影響を与えてしまうので、落ち着いて仕事ができるよう心がけています。
また、ご注文されたお客様の細かい要望やニュアンスをできるだけ汲み上げれるよう気をつけています。

今後作りたいと思っているものは何ですか?

職人としての心構えや技術の精度をより上げていき、よりよい製品を作っていきたいです。
お客様が想像より良いと感じ、その生活に永く寄り添えるような製品を提供していきたいと考えています。